Q今後もう一度ご自身が深く入り込んでゲームを作ろうというお気持ちはありますか
「コンパクトな数人でやれる仕事があったらおもしろい、とひそかに思っているが今はそれ以外に面白いことがいっぱいある」
「小規模でもまたゲームを作りたい気持ちはある。それまでに全くなかった手ごたえを何かで見つけたら作ってみたいと思う」
「いまはもう「こんなの作らない?」といってもなかなか作ってくれない「そうなんですか?」と言われて終わり」
「開発チームをもう自分で持っていない。でもそこから始めて「そういうことだったんですね」と言われたら嬉しい」
「(最近に気なったり生活の中で面白かったりするものは)広報担当から「言ったらダメ」と言われている。それが商品になるかもしれないから(笑)」
「いまは近所の人や孫とポケモンGOを遊ぶのがすごく快適。人の作ったゲームをこんなに遊ぶのは久しぶり」
「面白いと思うものを作ってそれが面白くないと言われたら、なぜ面白さが伝わらないのか、を考えることを大事にしている」
「人の作ったものを遊ぶと自分自身が理解していく過程がわかるしお客さんの立場で経験していくと「まだまだ未熟だな、自分で今度この技を使ってみよう」と思う」
「(嫁や孫が自分のゲームではないゲームにハマるのは悔しい?)そうでもない。尊敬されても困る。家では普通の人として扱われたい」
「ファミ通にこれだけでていてなんだけど、作り手はあまり表に出ないほうがいいとおもう」
「作ったものを解説するなんてあまりいいことではないと思う」
「PRやファンに裏話をするのは面白いかもしれないがこれから遊ぼうという人に「このようにうまく作っています」と押し付けるのは順番が違うような」
「この年になって「楽しくないと損だ」と思うようになった」
「誰でも自分の作ったゲームを酷評されるとムカつくが酷評した人をギャフンと言わせようと考えると楽しくなってくる。ムカっとしてもその状況を楽しみエネルギーが沸いてそれを超えてくると「よくぞ酷評してくれました。あなたのおかげで私は活力を得ました」という境地にいたれる(笑)」
「55歳ごろその境地に。それまでは反発していたが楽しむようにしたほうが得だと」
「昔はケータイでゲームなんてできない、と強がっていたがいつのまにか性能が上がりゲームが無料で配られるようになった。ぼくらがゲーム機を売ってもこんなものをタダで配られたらたまらないというところまできた」
「スーパーマリオ新作はシリーズ作でも単に続編を作るのではなく新しい技術が現れたら一つ作るようにしている」
「難関にチャレンジすることが楽しいというお客さんとミスしても次に行きたいというお客さんの両方に向けて作るというのがここ数年の課題」
「他にはない、本当に楽しい面白さがあるものを作ればそれは発売からひと月で消えるのではなく何年たっても売れ続けるだろう、そういう風にしようとしてきた」
「クリエーターと呼んでいいのは神様だけ。誰もクリエイションしてない。みんなエディットをしている。僕もエディター」
「過去に吸収したものをどんなふうにエディットして出すかを繰り返している」
「一番大事だと思うのはダーツを投げて思ったところに当たった時の感覚」
「いまでも自分の関わるものには操作性と操作感だけはかなり入り込んで一緒に作る。ブレスオブザワイルドもそう。コンセプトなどにもかかわるがあとはお任せ(笑)」
「マリオについてはマリオが関係するゲームを作るときは必ずどこかのタイミングで見ている」
「(マリオの活躍の場を決められるのは宮本サンだけ?)誰も決められないなら自分が、を繰り返しているうちにそうなった。まぁ「イヤだ」といえる権利だけは持っておこうかと(笑)」
「スーパーマリオランはベッタリ見ている。モバイルでマリオをどこまで使っていいのかは他の誰にも決められないので」
「マリオらしさとは”安心”これは社内でもあまりずれていない感覚があり僕が厳しすぎると崩しにいいくくらい」
「人は殺さないけど虫も踏みつぶさないわけじゃないほどよいマリオ感の基準がみんなに浸透している」
「スマブラのやんちゃなマリオには心配されたが殴った時の効果音をかわいらしくしたら「これなら大丈夫」といわれた」
「任天堂らしさも言葉で表すなら”安心”親御さんから見て安心、リビングにおいておける、家庭の娯楽の中心になるものを作ろうと努力している」
「それを考え始めたのはWiiあたりから。64のころ他社のハードを見て、僕らが一番得意なのはインターフェースだと考えるようになった」
「僕はAppleが好き。うまく制限をしてお客さんの使い勝手を大切にしている」
「任天堂は子供っぽいといわれていた時代もあったが優先事項をコツコツ繰り返してきた結果Wiiのころから”安心”というイメージを持たれるようになった」
「僕らにとって任天堂らしさとは本当にお客さん本位で考えること。マーケット本位でも流行っているもの本位でもない」
「(ゲームプレイ動画配信は)いろいろな楽しみ方があってもいいと思う。今は広く動画を公開できる時代でそれを見た方がそのゲームに興味を持ってもらえることもあるかと」
「僕もたぶんの人の作ったものなら攻略ビデオを見ると思う」
「正直自分のものは観てほしくない。人の作ったものならいいかなと(笑)」
「最近かなりポケモンGOを遊んでいる」
「映画とゲームはほとんど同じようなプラットフォームで体験できるようになった。任天堂にとって映像はあったほうがいいのかも、と思うようになった」
「マリオにとって映画があったほうがいい時代」
「売れるものを作ろうとするといろいろ失敗する。売れるものより自分が面白いと思うものを信じて作るのが一番大事。」
「売れるものを作ろうとするとどこかにあるものになってくる。出来上がったものが世間にありそうなものになると売れない、だから見たことがないものを作るのが任天堂」
「ゲームだけでなくいろいろな場面で自分たちのゲームキャラクターを大事にしながら展開しようと考えている。いろいろな会社と協力して」
「今後も守りに入らず新しいことをどんどんやっていけたら」
「(常に巻き尺を持ち歩いているのは)単にものをみたとき何センチか予想して当たると嬉しいから。先ほどのダーツと同じ。当たる感じを維持するよう訓練している(笑)」
ユーザー第一と言えるメーカーがどれだけ少ない時代になったか
あっあっ
「安心」ってそういうことかもな
普通のこと話してるだけな気もするが普通が一番難しいという事なんかねぇ
ずっと第一線にいただけある
ただそれでゲームが面白くなるわけじゃないってだけの話だろうけど
宮本も開発秘話を否定しているわけではない
遊ぶ前の人にべらべら解説するのを苦言しているだけ
いわゆる発売前のビッグマウスだな
発売後の実はこうだったんだよーってのは問題ない
CC2の松山とかは表でないほうが明らかにいいよなw
宮本自体55までは反骨精神があったと言ってるわけだし、現役の奴らに同じような境地に至れと言っても難しいだろ
さらりとビデオゲームの本質を突いてるな。
やっぱりこの人凄いわ。
これゲームじゃなくてもそう思う
仮説→実験→検証で、仮説がピタリと当たった時の嬉しさと一緒だよな。
思い通りになった時の嬉しさと、
意表を突かれた時の楽しさがゲームの面白さだと思う。
ちょっと諌めてるようにも見える
あれは一応技術者向けの講演じゃなかったっけ
ゲームメディアが拡散してユーザーにまで広まってしまってるけど
自分の感覚をなるべく分かり易い言葉にして
伝えようとする意識があるよね
最強の通訳が居なくなった影響だろうけど
はっきりと発言しないとネガティブな意味に取れるように拡散される時代だからな
宮本は岩田前社長が亡くなった5年前に糸井との対談で自分の状態を「自分の一部が無くなった感覚」と表現していたけれど
岩田氏に任せていた部分であった「感覚的に理解していることを言葉に整理して他者に伝える」ということを
ちゃんと自分の能力として会得しようとその後に進化していってるんだよね
ミヤホンほどの高齢になってこの吸収力と成長性は素直に凄いと思うわ
この発言格好良すぎるな
世界一のゲームクリエイターだから言える発言
「過去に吸収したものをどんなふうにエディットして出すかを繰り返している」
「一番大事だと思うのはダーツを投げて思ったところに当たった時の感覚」
ここのくだりはヤバいね
めちゃくちゃ刺さる
ピクミン3やらまだギリ現場にいた最後の頃の作品たち振り返ると色々悲しくなるな
やはり人間老いには勝てんか
「いまはもう「こんなの作らない?」といってもなかなか作ってくれない「そうなんですか?」と言われて終わり」
「開発チームをもう自分で持っていない。でもそこから始めて「そういうことだったんですね」と言われたら嬉しい」
開発チームも取り上げられて宮本氏の提案も素っ気なく却下
代表取締役 フェローという役職につくとこんな扱いになるんだな
これについては鉄拳原田とゼノブレ高橋の対談でも似たような話があって
40過ぎて経営に関わるような上の立場になってくると元々やりたかった自分でデザインして作品を作る環境からは離れていくというのはわりとどこでもそんな感じ
田尻辺りもそうだけど経営側が作り手から距離が出来てくるのは仕方無い問題ではある
宮本の場合一度現場に戻ってるし単に自分から引き際弁えて退いただけや
それに今は任天堂内部だって宮本おじいちゃんのおもろいかわからん思い付きなんかより
大事なこと山ほどあるんだから付き合ってられんのや
絶対に作り手は出たほうがいいわ
ミヤホンみたいにブランド化してる人物なら更に
別に凄くないわな
ただゲーム業界には任天堂にしかいないだけで
ここまで明確に口に出した言葉に説得力があるインタビューも珍しい
あくまでイカ研究員ってキャラ付けしてだけど
ゲームを作った自分をすごいと言ってほしいだけのやつが多すぎるからな
作り手が表に出て作品のPRするのは何か違うっていうのは宮本自身にもあてはまるだろ
時オカで自身がTV番組に出てシステムやギミック攻略時の楽しさを宣伝してたしな
まあ過去の自分の行動を顧みての話なのかもしれないけどさ
表に出たがる作り手の人間性が嫌いだと
そいつの作った作品を見たくなくなる
会社から
プロデューサー(ディレクター)なんだからお前が広告塔やれ
って言われてる場合もあるんじゃないの
「いまでも自分の関わるものには操作性と操作感だけはかなり入り込んで一緒に作る。ブレスオブザワイルドもそう。コンセプトなどにもかかわるがあとはお任せ(笑)」
如何にも工業デザイナー志望だった宮本さんらしい言葉だな。
製品の使い勝手を追求してる。
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